家には自転車がなく、何度か代々木公園サイクリングコースの幼児コーナーで補助輪つき自転車に乗った程度。そんなお姉ちゃんが、お友達から聞いた神宮外苑サイクリングセンターの自転車の乗り方教室に参加してみることに。
自転車の乗り方教室は、午前8時から受付開始。だいたい8時ごろに行くと整理番号7番位かな。初めての子はその場で自転車に乗って足が付くかテストします。それとヘルメットを被らないと参加できません。でも初回だけ貸してくれます。整理券をもらうと、再び9時25分に集合と言われます。
その9時25分頃にサイクリングセンター前に行くと、ヘルメットを被ったちびっこ達大集結です。自販機で水などを買って待ってると、拡声器で年配のスタッフが、まず「整理番号に「00」(ゼロゼロ)が付く数字の方から番号順に並んで下さい」と言われます。この時に「00」無し数字の人が行くと叱られます。お姉ちゃんの様に小さい子は、「00」無しです。要注意です。そしてその整理券は大人が持っていないと、より一層叱られます。拡声器でドヤされます。子供が持つと紙の整理券を折ってしまうからです。
さて整理番号「00」無しの番になり、前後と見合わせて番号順に並んで受付に行くと、住所氏名を記入する用紙と番号札を渡されます。テントの下で用紙に記入したら、リヤカー前に集合です。リヤカー前では、身長に見合った自転車を当てがわれ、番号札を自転車にぶら下げると、ちびっ子達が10名ずつ横一列に並んで、先生の説明を聞くことになります。
その前に注意があります。「子はどうしても血縁の方の言うことを聞いてしまうので、親は口出ししないで下さい」と言われます。なので親は歩道に座り見守るだけなのです。
まずベダル無し自転車の練習からです。自転車の左から乗り左から降りる。子ども達がちゃんとブレーキがかけられるか、一人ずつテストします。それから「いち、に」と両足同時に地面を蹴って、「さーん」で足を浮かせて乗る練習をします。それを二時間半。休憩とかそんなのありません。
面白がってる子は上達して、ペダル付き自転車に移行していく中、「今何時?」、「あと何時間?」、「疲れた」、「肩こった」とか言い出す子ども達が多々いました。そんな子ども達は、もはや両足で地面を蹴ることなく、ちょこちょこ歩いてるだけで、見てる側でも、それを二時間半やってるのはしんどいだろうって思える状況。結局初日はお姉ちゃんも後者で終わりました。
ああ、この二時間半は一体何だったんだろうと、父ちゃんはじっと見てるの寒いし、帰りにイライラしだした。「これは『いち、に、さーん』で足を上げる練習であって、自転車に乗ってちょこちょこ歩く練習ちゃうよ? 先生はそんなのしろって言ってなかったやろ!」ってキレてしまった。
まあ初日はこんなもんだろうと、マンゴツリーカフェで功を労う。
もう辞めるかな? と思いきや。来週も頑張るという。お、これは。
マンゴージュースで乾杯。
次の日曜日。用紙に記入し、リヤカーの前で「二回目です」と言うと、「もう説明はいいね?」と言っていきなり走らされた。前回は肝心の説明がうまく理解できてなかった様だったのでもう一度説明が欲しかったものの、子ども達の数も多いし手間なのだろう。まぁ水分補給の時にでも、足を上げるように促したりしよう。
「いち、に、さーん」と積極的に足を浮かせるお姉ちゃん。
上手さが目立ちだすと、先生達も積極的にご指導してくださる。好循環だ。
そしてついにペダル付き自転車に乗り換える時が来た! 着実に上達してる。
…と思ったが、待望のペダル付き自転車に乗り換えて何周かした頃から、お姉ちゃんの表情が曇りだした。そして父ちゃんの顔を見つけ号泣。大嗚咽。えー! 嗚咽で何言ってるか聞き取れなかったが、どうやら怖くなった様だ。踏み込んではいけない領域に踏み込んだ、そんな感じか? そして「ペダル無しが良かった-」って大泣き。それどんな自転車だよ。心で爆笑しつつも、(今日の)他の子はまだペダル付き自転車に乗れてないのにスゴいことだよ、と涙が乾くまで休憩。ヘルメットを脱いで驚いた。髪が汗でびしょびしょだった。
再び練習を始めたお姉ちゃんだったが、先週並のローテンションに。「今何時?」「あと何周?」とそんな質問が出始める始末。ペダル無し自転車では長時間足を上げる事ができたが、ペダル付き自転車になって足を浮かせる事は無かった。
その次の日曜日。リヤカーの前で、「三度目です。前回はペダル付きまで行きました」と告げると、先生は覚えててくれて、ペダル無しにするか悩んだ様だが、ペダル付き自転車から練習を始めることになった。
なかなか足を上げないで、片足でぴょんぴょんやってたが…。
ペダルを漕いで進む事が出来るようになってきた。ただ子ども達が30人近くいるので、人口密度が高い場所だとすぐ足を着いてしまうのです。まぁ、お姉ちゃんは「いのちだいじに」タイプだからなぁ。
よく頑張ってるなと思った矢先、お姉ちゃんがコーンにぶつかり転倒。再び、号泣嗚咽。またテンション下がるかなと思ったが、涙が乾いた頃には、ペダルを漕いで半周くらい出来るようになっていた。
残り三十分に差し掛かった頃、先生が来て「本当はこの後16インチに乗せようと思ってたんだけど、まだちょっとフラつくし、大きいと怖がるかもしれないので今日は止めときましょう」と。そして「今後はもうこの教室ではなく、外のコースでお父さんが教えてあげて下さい。卒業です」と。
今後は14インチで慣れてから16インチの練習をすることと、この教室では左回りしかやってないので右回りの練習、それと道路の破線を利用してスラロームの練習をしてくださいと課題を与えられました。
そして最後はいつものマンゴツリーカフェでマンゴージュースを飲んで乾杯した。お姉ちゃん、卒業おめでとう!